SEASON 1 TEAM
ご馳走旅日記
油絵から生まれた
奇跡の地鶏
一度絶滅した鶏を油絵を元に20年前に復元したもの。それが、天草大王です。美味しさや肉質の良さから博多の水炊き用に重宝されていましたが、産卵率の低さや輸入種の普及により、昭和初期に絶滅してしまった過去を持ちます。しかし復元を望む声は絶える事がなく、熊本県農業研究センターで10年間の年月をかけ、ついに国内最大級の幻の地鶏”天草大王”は復元に至りました。
県内に7軒ある生産者の中で私たちが訪ねたのは、姫コッコ倶楽部の山口さんの鶏舎。姫戸特産ちりめんじゃこ、姫戸産のいわし、姫戸近海のひじきといったこだわりの飼料を与え、飲み水は熊本県が誇る良質な地下水。そして、オスは120日以上、メスは130日以上のしっかりとした飼育期間を設け、山口さんが特にこだわる一羽一羽の丁寧な選別を経て出荷に至ります。
胸肉なのに
驚くほどジューシー
オスメスそれぞれの胸肉とモモ肉をサンプルとしていただき宿で調理させていただいたところ、味の良さはもちろん、シェフたちが驚いたのはオスの胸肉の美味しさ。一般的には、メスの方が脂がのっており好まれる傾向にある鶏ですが、天草大王の雄の胸肉は凝縮された旨みに加え、ほろりとほどけるしなやかな肉質。パサついた感じは全くありません。
東京のTHE AOYAMA GRAND HOTEL 4F和食”SHIKAKU”では早速、”天草大王の胸肉を塩麹唐揚げ”としてオンメニューが決定。生産者の「天草大王の胸肉を食べるならやっぱり唐揚げが一番!!」という声をヒントに仕上げた、そのポテンシャルをダイレクトに感じていただける一品です。
また、WITH THE STYLE FUKUOKAでは、風味豊かな天草大王の出汁に爽やかなレモンを合わせたレモンバターソース仕立てに。これからの季節に、キリッと冷えた白ワインとともにお楽しみいただきたい一皿です。