GOCHITABI DAIRY
ご馳走旅日記
哲学が息づく鰹節づくり
2日目の最後の工程は、今回の旅で最も心待ちにしていた生産者さんのひとつ、枕崎の鰹節職人 瀨﨑さんが営む”金七商店”。様々な条件がマッチした場合のみ訪問を受け入れていただけるという狭き門でしたが、あるご縁のおかげで見学が実現しました。
「キロ3万3千円。史上最高額の値がついた鰹節の作り手」や「世界の名だたる三つ星シェフをも魅了」など、メディアでは華やかな文面の紹介が目立ちますが、実際に工房と製作過程を案内していただき抱いた印象は”どこまでも実直な鰹節”。
受け継ぎ 残し
進化させる
美しく仕上げる。
なるべく捨てずに活用する。
自分が納得いくものを作る。
商品に哲学を反映する。
そして、効率を優先し本質を見失っては絶対にいけない。
それは瀨﨑さんの人柄にも現れていました。廃れつつある先人が作り上げてきたよいものを受け継ぎ、残し、進化させる。その過程を垣間見ることのできた有意義な時間でした。
私たちの旅に同行してくれているカメラマンは、どうしてもここに行きたくて、ずいぶん早くに前入りした結果、丸二日間工房に入り浸っていたとのこと。
私たちが感じることが出来たのは、底知れない魅力のほんの一部だけだったかもしれません。しかしこの後、宿までの車移動は2時間。後ろ髪を引かれながら、和食のメンバーを中心に改めて伺わせていただく約束を交わし、枕崎を後にしました。