GOCHITABI DAIRY
ご馳走旅日記
宮崎市・佐土原町で400年以上受け継がれてきた伝統野菜「佐土原ナス」。
手に取ってみると、大ぶりでつややかな姿にまず驚かされます。出荷のピークは6月で、年間およそ100トンが市場に並ぶのだとか。栽培しているのはわずか11名。そのうち一年を通して出荷しているのは、たった3名だけと聞き、改めてその希少さを実感しました。
苗は2月末に植えられ、ゴールデンウィーク前には花を咲かせるという特有のリズムで育てられています。ビニールハウスは夏場には45度を超えることもあり、強い日差しを和らげるため外側に白い塗料を塗る工夫も。さらに生産者たちは、水分や肥料を細かく調整し、大きな葉をこまめに剪定して日当たりを良くするなど、一つひとつの作業に丁寧に向き合っていました。
いよいよ、採れたての佐土原ナスをそのまま口にしてみると――
水ナスのようにみずみずしく、アクをまったく感じない澄んだ味わい。すっと喉を通り抜け、口の中にはやさしい甘みが残ります。まさに、他にはない“甘みと水分”を持ったナスだと感じました。油との相性も良く、素揚げにすれば甘みがさらに際立ち、炭火で焼けばとろりとした水分があふれ出すのだそうです。9月頃には皮が少し厚くなり、その時期ならではの歯ごたえが楽しめるのも魅力です。
宮崎を旅したら、ぜひこの歴史と情熱が詰まった佐土原ナスを味わってみてください。口いっぱいに広がるとろける食感とやさしい甘みは、きっと忘れられない体験になるでしょう。