SEASON 2 P TEAM
新たな指標を掲げ進化させる者たち
関東エリアのシェフで構成
エリアを絞り、自店舗から比較的近い地域を深掘りすることで
より有用性の高い食材との巡り合いを期待する
0期、1期のメンバーのバトンを受け取り、新たな指標を掲げ
この旅を進化させる者たち
ご馳走旅日記
樹上完熟で味を極めるこだわり栽培
さくらんぼといえば山形県ですが、秋田との県境である湯沢市相川もまた知る人ぞ知るさくらんぼの名産地。
山形などの大規模さくらんぼ園ではできない育成方法で栽培するこだわりの“おっとっ子”(桜桃を語源とするこの地方のさくらんぼの呼び方)を求めて、菅忠一郎さん 通称 忠(ちゅう)さんの圃場を訪ねました。
さくらんぼの旬は非常に短く、ひとつの品種に限ると約2週間。そのため、一般的にはいくつかの品種を栽培し、旬を迎えたものを順に出荷される方法がとられます。しかし、忠さんが果実として出荷するために育てるおっとっ子は、佐藤錦と紅秀峰の2種類のみ。
面積や種類を限定する理由は、自身で把握できる範囲で栽培し、適切な摘蕾を施すため。そして、早摘みではなくしっかりと樹上完熟させた味の乗ったものを届けたいとの想いから。
果汁溢れる甘さと酸味 プロの選別眼
自分たちで選んで摘んだ樹に成った実も美味しかったのですが、出荷前のものと比べると味の乗りが全く別物。プロの選別眼に脱帽です。溢れんばかりの果汁、甘く濃い味わい、シャープな酸味の輪郭、そして弾けるような張りある果皮。
また、受粉木として育てている品種”ナポレオン”は、ジャムに加工されるとのことでしたが、もったいないと思ってしまうほど美味。上等なさくらんぼとはまた違う、あっさりとした昔懐かしい味わいでした。
お土産にワンパックずつ特上品をいただきました。店舗で待つメンバーにもこの味と、忠さんのこだわりを共有できることを嬉しく思います。