SEASON 2 P TEAM
新たな指標を掲げ進化させる者たち
関東エリアのシェフで構成
エリアを絞り、自店舗から比較的近い地域を深掘りすることで
より有用性の高い食材との巡り合いを期待する
0期、1期のメンバーのバトンを受け取り、新たな指標を掲げ
この旅を進化させる者たち
ご馳走旅日記
夏山冬里 — 大自然に生きる“かづの牛”
十和田湖の外輪山南川、鹿角(かづの)市の日本短角牛”かづの牛”放牧地へ。熊取平という地名からもわかるように、牧場周辺は熊が出る事でも有名。5年前に起きた、山菜取りに出かけた地元の方が熊に襲われたという痛ましい事件で聞き覚えの方もいるかもしれません。
優しさと厳しさを併せ持つ大自然の中でのびのび暮らす牛たちは”夏山冬里”と呼ばれる肥育方法で育てられます。
短角牛は暑さが苦手ですが、冬は背に雪を背負っても元気に外に出るほど寒さには強いそう。夏でも比較的涼しいこの辺りは牛たちにとっても居心地良く、一日中牧草地を自由に行動しています。一区画が20町歩、つまり、東京ドーム4個分の広さにも及ぶ広大な牧草地で、1頭のオスに対し50頭のメスがハーレムを形成し暮らしています。
自然分娩で子を産み、お母さんの乳を飲んで育ち、青々とした牧草をお腹いっぱい食べ、広々とした土地を自由に歩き回れる環境。年に何度か訪れる30度を超える暑い日は木陰で寄り添いうたた寝する姿を見ることができるそうです。
命を大切に育て、次の一皿へ
餌は牧草以外に、比内地鶏鍋のスープで有名な、浅利佐助商店の醤油搾りカスをあたえて塩分を補給。これが牛たちの大好物。飲み水には汲み上げた地下水を利用し、牛たちにとってこれ以上ない快適な生育環境。
出荷までの月齢24ヶ月のうち、最後の6ヶ月は里に移動。放牧の草だけ食べていると、脂は黄色くなり、ジビエ感が強くなるため、牛舎でワラを与え、食肉として仕上げられます。
モモとバラ、そして牛肉100%のハンバーグを試食でご用意いただきました。どれもしっかりと赤身の旨みを感じる上質な肉質を感じる事ができ、是非お店でも提供できれば…と思ったのですが、出荷数は年間90頭との事でかなりレアな模様。さらにはウチモモは常に品切れで、逆にバラは余ってしまう事に嘆かれておりました。
私たちの強みでもあるグループ会社という点を生かし、一頭買いなども視野に入れながら、生産者様にも、お客様にも、そして私たち自身にとってもよい形を模索していきたいと思います。