SEASON 2 P TEAM
新たな指標を掲げ進化させる者たち
関東エリアのシェフで構成
エリアを絞り、自店舗から比較的近い地域を深掘りすることで
より有用性の高い食材との巡り合いを期待する
0期、1期のメンバーのバトンを受け取り、新たな指標を掲げ
この旅を進化させる者たち
ご馳走旅日記
幻のハタハタで仕込む
唯一無二のしょっつる
秋田の調味料といえば、魚醤”しょっつる”ですが、原料となるハタハタは、最盛期の昭和34年には20,000トンだった漁獲量が、現在は100トンと年々落ちる一方。そんな中、希少なハタハタ100%でしょっつるをつくる唯一の蔵”諸井醸造”さんを訪ねました。
魚醤の味わいを決めるのは原材料ももちろんですが、なんといってもその醸造技術にあるということを、これまで様々な蔵を見学する中で学びました。いかに塩分量を抑えつつ発酵を促進させるかが、旨みと雑味の境界線。
コラトゥーラ(イタリアの魚醤)の本場であるイタリアでも学んだ諸井さんのしょっつるは、ハタハタと天日塩のみを発酵させ3年にも及ぶ熟成期間を経て生み出されます。複雑な旨みありつつ、キレのよい後味に唸りましたが、秋田でハタハタが獲れなくなった事を聞き、少々悲観的な印象を抱いてしまいました。
魚醤から肉醤へ
広がる発酵の可能性
しかし、諸井さんの強みは醸造技術を活かした様々な醬の開発力。魚醤に通常用いられる鰯はもちろん、鯛や牡蠣、鰻。さらに、肉醤は一般的にはガラを使って作られますが、秋田牛の肉と内臓を原料に使用したものなど、ラインナップは多岐に渡ります。どれも素晴らしい味わいでしたが、シェフ達のお気に入りは鯛、そして牡蠣を使った魚醤。
最近は、洋食でもソースの隠し味などに多用される醬。私たちPlan・Do・Seeの料理にも新たな進化をもたしてくれる可能性を感じる訪問となりました。